19日午前、沖縄のアメリカ軍普天間基地所属の新型輸送機、オスプレイ2機が東京の横田基地に飛来し、初めて東京の上空をオスプレイが飛行したとのこと。
ところで多くの米軍機の中で何故オスプレイは注目を集めているのか。
売りたい当事者側と無理矢理買わされそうな立場でかつスポンサーの納得を得なくてはならない側両者の商品への評価は高いことになっていて、もし危険性のある欠陥部分があっても公開したがらないもので、それが売り手側の心理と手口だろう。
が・・・
人為的ミスもしやすく構造的な欠陥もあり事故率が高いと分かっている飛行機を、人家の密集地域にある基地で飛び交う可能性がある計画を、国家が国家間の掛け引きのために進行せざるおえないとしたら困る話だ。
オスプレイとはV-22の愛称で、アメリカ合衆国のベル・ヘリコプター社とボーイング・バートル(現ボーイング・ロータークラフト・システムズ)社が共同で開発した航空機で用途は輸送機となっている。この機は死亡事故の多さから”未亡人製造機”とまで呼ばれ、米国本国からも嫌われている。試作機を含めた重大な事故の原因がV-22自体の欠陥であったことが問題だ。
配備が予定されているアメリカ海兵隊所属のMV-22の10万時間当たりの平均事故率は、2012年4月11日の事故後に1.93となっている。事故前は1.12であり、いずれも米海兵隊所属の飛行機平均の2.45を大きく下回っている。配備期間の短さを考慮する必要はあるものの、現在、MV-22の事故率はヘリコプターより低い。(V-22 (航空機)wikiより)
しかし以下のような記事も
オスプレイ、安全面で法抵触 民間機なら不可(琉球新報 2012年6月21日より)
今年7月現在、防衛省は、自衛隊に新たに導入する新型輸送機、オスプレイMV22の購入費を来年度予算案の概算要求に計上する方針で、(日本の導入価格は2012年12月時点で一機当たり約100億円と見られている。)佐賀空港を自衛隊との共同使用にしたうえで配備先の候補地とする案を検討しているとのこと。米国では大統領に随行するホワイトハウスのスタッフや報道陣を搭乗させる輸送機として利用されることも決定され、2013年8月10日には大統領専用機仕様のオスプレイによる随行要員輸送が実際の運用として行われた。しかし改良型で事故率が低くなったというMV22について、
【モロッコでMV22墜落、2人死亡 】
2012年4月11日に海兵隊のMV-22、1機がモロッコの南方沖海上で強襲揚陸艦「イオー・ジマ」での訓練中、離艦後に墜落した。全搭乗員4名中、2名死亡、2名重症となった。3月29日にノースカロライナ州から派遣されて来た、第24海兵遠征隊(24th. MEU)揮下の第261海兵中型ティルトローター飛行隊(VMM-261)に所属していた当該機は、モロッコの演習地に海兵隊員を降ろした後の、現地時間4時頃に事故を起こした。
戦闘地域においては、確かに小回りがよく狭い場所での離着陸可能でかつ大量に輸送出来る理想の飛行機なのだろう。しかし広大な国土を持ち、訓練基地が広く人家には影響の出ない米本土の基地の感覚で、事実上、人家の中に存在する日本の基地内での輸送や訓練のために頻繁に飛行させることは、人命に対する危険性が非常に高いという違いについて理解させる必要がある。
へたをすると彼らにとっては日本国は、一つの基地のような感覚なのだろうから。悪気すらないのかもしれない。
たとえ、どのような相手国であっても、譲歩してはいけないこともある。
「国民の生命と安全を守る」という意味は、何も敵意のある相手からの攻撃に対してだけでなく、故意ではないふりをして大事故を起こしかねない欠陥品の飛行機を国民の領空を飛ばそうとしている相手からも守らなくてはならないのである。
王様に歯向かうのも、敵に歯向かうのも、確かに大変に難儀なことだろうが。
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